グレインフリー落とし穴
ここ数年でグレインフリーが犬に良いとされる風潮が加速しています。
ここ数年、グレインフリーであることを謳うフードが続々と発売され、今まで穀物使用していたフードがリニューアルと共にグレインフリーになるという事が増えました。
ここまで、増加するのであれば絶対にグレインフリーが良い!とあなたは思ってしまうかもしれませんね。
グレインフリーは正解でもあり、不正解でもあります。
一律に、どの犬にもグレインフリーでなければならないというのはかなり強引です。
例えば
日本人は絶対に魚は生でしか食べてはならないと言われて、あなたはどう思いますか?
生魚苦手な方もいますよね?まぁ、好き嫌いとは違う!体のつくりの問題!と言われたらそれまでですが・・・
では、もう一つ例えを。
世界中で日本人だけが海苔を消化できるってご存知ですか?正しくは、海苔などの海藻を分解できるのはオベリア・ガラクタニボランという海洋性バクテリアがアマノリ属の海藻に含まれる多糖類を分解する酵素を持っている→そのバクテリアは日本人の排泄物からしか発見できなかった→海苔は日本人しか消化できないという発表になったらしです。
海苔を消化できるのは日本人だけ!他の国の方は消化できないようなものを食べるのはよくない!と言われたらどうでしょう?
寿司、海外でも認知されていますよね?じゃあ、韓国の方はどうでしょう?韓国のり・・・キムパ海苔巻いてるよね・・・
日本人でも、海苔が病気などの関係上食べられない方もいます。
それと、犬はグレインフリーを食べるべき!というのは似ていると思いませんか?
犬でもグレインフリーが向かない子もいる。
病気などで、グレインフリーにしない方がいい子もいる。
そんな可能性をあなたが、あなたの頭の片隅に入れておいていただけたら嬉しいです。
そもそもグレインフリーって?
グレインフリーとは穀物不使用ですよという事です。
穀物不使用!なので糖質不使用ではありません。グレインフリーのドッグフードにはじゃが芋、さつま芋、緑豆やえんどう豆などの糖質を含む材料を使っている場合が多いですよ。
良く混同されるグルテンフリー
グレインフリーとよく混同されるのがグルテンフリー
グルテンフリーはおおざっぱに言うと小麦を使っていませんよというイメージです。
小麦粉に含まれるグルテニンとグリアジンという2種類のタンパク質が水分を吸収して網目状に繋がったものです。
なにそれ・・・という感じですか?日本人の身近な食べ物でいうとお麩、お麩はグルテンの塊です。
(グルテンをダイレクトに感じたい場合は生麩や麩まんじゅうがおすすめです)
グルテンは捏ねれば、捏ねるほど粘り気と弾力がある生地が出来上がるので、その性質を活かしたパスタ、ウドン、パン、ラーメンなど様々な食品が身近にあります。
たぶん、栄養の事などを詳しく知らないライターさんが書いたであろうグレインフリーを称賛するフードの記事にはグルテンフリーと混同している物があるので、私はライターさんがお小遣い稼ぎで書いた記事なのかを見分けるポイントなんかにコッソリ使っております。
グレインフリーは糖質オフではない
先ほども少しご紹介しましたが、グルテンフリーのドッグフードの多くはじゃが芋、さつま芋、緑豆、えんどう豆などの炭水化物源が使われています。米や麦、とうもろこしなどのイネ科の穀物に比べるとさつま芋やえんどう豆は血糖値が上がりにくい食品(低GI食品)ですので、糖尿病の犬には穀物を使っているフードよりはさつま芋やえんどう豆に糖質を置き換えてあるグレインフリーのフードの方が良いと思います。
グレインフリーが向かない犬
逆に、グレインフリーのフードは比較的高たんぱくな傾向がありますので、糖尿病でも腎臓の症状が出ている子の場合はちょっと注意が必要です。
糖尿病を患っていなくても、腎臓の病気の子はグレインフリーはあまりオススメできません。
あと、高たんぱくなフードはウンチが緩みやすい傾向があります。
パピーをあなたが迎え入れた時、ブリーダーやショップの店員から「今食べているフード」というのを渡されます。
それが、自分の好きなフードではないからといきなりグレインフリーのフードに切り替えると高確率で下痢をします。
パピーの下痢はかなり、危険です。あなたのお家という新しい環境になれるのに精いっぱいのパピーには今まで食べ慣れたフードをあなたとの暮らしに慣れるまではオススメします。
そして、そのフードを使い終わり、初めてのフードの切り替えの時もグレインフリーのフードは一旦回避したほうがよいです。
なぜなら、ブリーダーやショップ店員から「今食べているフード」と渡され(もしくは購入)たものは穀物がたっぷり使用されているフードが多いです。そうすると、成犬でも高たんぱくなグレインフリーのフードを消化器官がまだ発達途中のパピーが食べたら、良くてうんちが緩む。最悪下痢です。
私がもし、グレインフリーのフードを愛犬に食べさせたいと思ってパピーを迎えた場合、初めてのフードの切り替えの時はグレインフリーではない物の、たんぱくが高めのフードを選びます。それを少し長めに食べさせて生後5か月か6か月以降に、グレインフリーのフードに満を持してゆっくり切り替えていきます。
それぐらいパピーの時のグレインフリーで高たんぱくのフードの下痢は怖いです。栄養が消化吸収できずに体外に出ていますよというサインでもあります。何であなたは愛犬に高たんぱくのグレインフリーの食事をあげたいと思いましたか?
たぶん、健康でしっかりした体になって欲しいと思った方もいるのではないでしょうか。
それなら、下痢して病院に連れていく回数が増えるのは本末転倒のような気がするのは私だけでしょうか・・・
グレインフリーのフードより大切な事
グレインフリーのフードよりも、大切な事があります。
それは、あなたの愛犬にその食事やフードがあっているかと言う事です。
ドッグフードの選び方:ドライフード編も併せて参考にされてください。
グレインフリーのフードにこだわりすぎてあなたがあなたの愛犬の体調の変化を見逃したりしませんように。