子犬の食事は砂糖水
ある日一本の電話がかかってきました。
子犬を迎えて、ペットショップの店員さんに言われた通りの食事を食べさせていたのに犬がぐったりしていると。
何を食べさせたらいいですか?というご質問に
まず今すぐ病院へ連れて行くようにとお願いし、診察が終わったらまたお電話頂くことに。
数時間後、その方から再度電話があり子犬は入院する事となったとご報告を受けました。
固形物をまったく体がうけつけなく嘔吐、極度の栄養不足による緊急入院だったそうです。
何をあげてたらそうなったのか・・・お伺いすると砂糖水というではないですか。
ひと昔前の、カブトムシのような食事で犬が健康に育つのか、少し考えたらわかりそうなものですが、
実家でも動物の飼育経験がなく、初めての動物と暮らすその方にとってはペットショップの店員さんから
言われた事を疑う事もなかったようです。
子犬の食事で砂糖水は今まで1度しか、聞いた経験がありませんが意外と多いのは牛乳です。
砂糖水も牛乳も子犬にとって優れた食事とは程遠いものと言うのをあなたにご理解いただけたら嬉しいなと。
子犬、子猫に牛乳をあげて下痢と言う話はとてもよく聞きますのでなぜダメなのかというお話をさせて頂きますね。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
何で砂糖水と牛乳は子犬にあげてはいけないのか
砂糖水や牛乳をあげて下さいというペットショップの店員さんにいわれたら、あなたはどう思いますか?
さすがに砂糖水は疑問に感じる方も多いかと思いますが、牛乳はあげるイメージが強いので、どうしてもあげてしまいがちです。
ペット用の牛乳や子犬用の粉ミルクなどだったら良いのですが、普通にスーパーに売っている人用の牛乳はダメ!です。
人間用の牛乳は低脂肪乳だとしても乳糖という成分が含まれています。
この乳糖を犬は基本的に乳糖分解酵素(ラクターゼ)を持っていないがために、乳糖を消化する事が難しく(乳糖不耐症)下痢を引き起こしてしまいます。子犬の時の下痢は命の危険性が上がります。
特に、冷蔵庫から取り出したばかりの冷たい牛乳は冷たさによってお腹の冷えにもつながり下痢のリスクがUP!しますのでご注意くださいね。
砂糖水では仔犬の体の成長を支えるタンパク質が入っていません。体はどんどん大きくなろうとタンパク質を欲しているのに、タンパク質の入っていない食事では具合を崩すのも当然です。
子犬の食事は日々変わる
子犬の食事は日々変化していきます。
食事そのものを変化させるというよりは食事の量が変化していきます。
よく仔犬の食事の相談の時に言われるのが「1日15g食べさせてください」とグラム数を指定されたのをいつまでも守り続けている方。
ペットショップの店員さんに言われた量は、その子を迎えたその時の量で今度もその量を維持するというものではありません。その子の成長に合わせて1日15gを18g、20g、25gと段々増やしていく必要があります。
1日3回の食事をと言われた場合も同じです。3回をずっと守る必要はありません。
逆に多くても3回までという事でもありません。1回に多く食べる事が出来ない場合は4回、5回とうちの子に合せて回数を増やすのもありです。
成犬になってしまえば、1日の食事量、食事回数がほぼ決まってしまいますので、大きな変化は必要ないのですが、
子犬の時はとても繊細なので、体の肉の付き方、うんちの量や柔らかさなどを見つつ食事の量を今のその子に合せた調整が必要になります。
メーカーさんによってはパピー用のフードのパッケージ親切に記載している場合もありますし
不安であれば今、お使いのドッグフードメーカーお客様サポートに問い合わせてみるのもいいでしょう。
子犬のうちはちょこちょこと、予防接種などで成犬よりは頻繁に動物病院に通うはずですからその時に「ごはんの量は今のままで大丈夫ですか」と尋ねてみると獣医さんは教えてくれます。
ただ、砂糖水のような極端な食事は子犬の場合あっという間に体調を崩してしまいます。
子犬を健康に育てるには知識が必要
犬はとても身近な生き物です。
なので、犬を迎えるという時に勉強したという方が少ないのが現実・・・
これがあまり身近でないイグアナやフクロウ、フェレット、ハリネズミなどを家に迎えようとしたらきっとあなたはネットで情報を調べたり、実際に一緒に暮らしている方のブログを読んだり、本を買ったりしませんか?
それが、犬や猫といった身近な動物になると何となく飼えるという気持ちになってしまう。
そうすると、犬を迎える際に出会う初めてのプロであるペットショップの店員さんの言葉に疑問を感じる事が出来ないという事が出てきてしまうのです。
最初から完璧な知識は必要ありません。
でも、砂糖水や牛乳だけをあげて下さいと言われたら変だなと感じれるだけの知識は欲しいな・・・と思っています。
ペットショップの店員に騙されるな!
ペットショップの店員さんは、正直な所ものすごく知識量に差があります。
とても犬が好きで勉強している人もいれば、本当は猫が好きだけど犬の部門に回されてしまったと言う人も。
なかには、砂糖水や牛乳をすすめてしまう様な自己流のよくわからない知識を持った人もいます。
そして、残念ながらお仕事として犬を売るという人も。犬に関わる仕事をしている人のすべてが犬が好きだとは限りません。
これは犬に関わる仕事以外のすべての職業に当てはまる事でもあるのでしょうが
儲かるからという理由で犬に関わる仕事に就いている人もいます。
どこに行けば知識の豊富な方に会えるのか・・・それをパッと見分ける方法は残念ながらありません。
こういったブログを書いている人間に尋ねるもよし、ドッグトレーナー、トリマー、獣医師などに直接質問はしやすい時代になっているいい時代だと私は思っています。
ひと昔前のように電話をかけなくてもメールなどで気軽に聞きやすくなっていますので、大いに活用して頂けると良いのではと思います。(それでも、知識量に差がでるとは思いますが・・・聞かないよりきっとましです)
プロだからペットショプの店員さんだから知識はあって当然と思わずにセカンドオピニオンのように
もう一人別のプロに質問してみるというのが出来れば砂糖水事件は防げたはずだと思います。
犬をお迎えする事は命を一つ預かる事。
砂糖水を飲ませられていた子は入院し、病院での治療の結果なんとか命を繋ぐことが出来ました。
でも、もう少し対処が遅れていれば命はなかったはずです。
100%プロ任せという訳には行きません。あなたの正しいアドバイスを見定める力がどうしても必要になってきます。
お高い値段の犬達ばかりのお店だから大丈夫という訳ではありません。
可愛い犬の写真だけが並ぶインスタやブログをみてこの犬種が可愛いと盛り上がるのも楽しいとは思いますが、ぜひちょっとだけでもためになるなという情報が載ったものを見てもらえたらなと思います。
砂糖水も芋粥を食べていた子犬のはなし も子犬が命を失う危険に陥ったとても極端な例だと思います。
でも、実際にそういった食事をあげてしまった飼い主さんがいるという事実を心にとめてこれから犬を迎えようとする方に対してのアドバイスは小分けにして成長に合わせて少しずつ行うようにしたり、紙に生後何か月ごろは~と言ったような目で見てわかるように心がけています。
犬の業界が残念な部分が多いのは確かですが、ぜひあなたには残念なプロに引っかからなだけの自衛のための知識をちょっとは身に着けておくといいのかなと。犬の心理栄養学の基礎編はそんな食事に関する知識を無料のメール講座で配布してます。
まだ、登録してないあなたはぜひ登録してメールを受け取ってくださいね。
自分が残念な人にならないように
砂糖水で子犬を育ててというアドバイスをするほど、私自身は自分の事を残念ではないと思っていますが油断すると
まずいと、危機感は持って生活しています。
犬に対する常識は時代によってかわりますので
知識を常にアップデートできる環境と、分からない事を調べられる力、聞ける自分より専門性の高い知識を持った人とのつながりなど、自分の知識を磨いていけるようにとは思っています。
が!!そうすると飼い主さんが疑問に思う事と離れて行ってしまう危険性もあるのです。
それを、気が付かせてくれるのはあなたの何気ない私への質問だったりするんですよ。